2016年2月18日木曜日

台車の荷台張替

最近、台車(重機運搬車)の荷台が傷んできたので、約10年ぶりに張り替えることにしました。
新車登録が平成2年(弊社で中古車として買ったのが平成6年あたり)の26年選手です。
まわりがモザイクなのは大人の事情(ただ汚いだけ(笑))です。


通常、荷台の板はアピトンなどが一般的ですが、10年前は経済的事情からラワン材を使用しました。


バールでガンガン剥がしていきます


約30分でここまで剥がしています
 
 
 
板を剥がしたら、頭が出ているビスをサンダーで落とします


その後カップワイヤーにてサビ落とし


その後エアーを吹いてゴミ・埃を落とします。本当は高圧洗浄機で洗い落とすのがベストかと思いますが、既に26年選手であることと、すぐにシャーシブラックを吹きたいのでエア吹きとしました。


エア吹きの様子


下地がきれいになったら、次は錆止め塗装(シャーシブラック)です。
今回は通常のコンプレッサーではなく、これを使いました。
精和産業のクリーンボーイです。
いわゆる「低圧温風塗装機」というもので、通常のコンプレッサーを使った吹付塗装と違い、100Vでヒーター+ファンを回して温風を出して吹付を行うため、
 ・コンプレッサーのエアが切れてエアがたまるまで吹付ができない
 ・まわりに塗料が飛び散りすぎる
 ・吹き付けている塗料よりまわりに飛んでいく塗料の方が多い(笑)
といったことがありません。
温風を使って出すので、乾きも早いという利点もあります。
 
 
部品全体がこちら。(今回使わないオプション部品も写っています)
先端の塗料カップ・ノズルは通常のエア吹付用のものとは違いますが、原理的にはほぼ同じです。


話がそれますが、これを買ったのは別現場にてシャッターの塗装をするためでした。
シャッターは上げ下ろしの際にスラットの凸凹やかみ合わせ部分が擦れるため、刷毛塗りやローラー塗りが難しいです。(厚く塗りすぎるとシャッター上げ下ろしの際に支障が出る)
今まではコンプレッサーを使って吹付していましたが、上記の理由から2014年にこの機械を導入しました。購入はエネックスジャパンさん(旧仙台熔材さん)から。


(写真は撮っていませんが、この前に水を使って高圧洗浄は済ませてあります)
下塗りです。


下塗り後に上塗りを行いますが、予めスラットのかみ合わせ部を塗っておきます


かみ合わせ部拡大(かみ合わせ上部が5mm幅程度白く見えるのは反射です)

そのあと更に上塗りを2回行いました。


上塗り後拡大。割ときれいに塗れている(吹けている)と思います



話を戻します。塗ったのはこちらのシャーシブラック。一斗缶だと余ると思い1L缶×3本としました。(4L缶が見つからず)。 後始末のしやすさから、水性を使用しました


吹き付けていきます。


吹付中の状況です。先程使用したゴミ飛ばし用のコンプレッサーも見えます。
吹付の際、エア切れがないのは良いのですが、吹付の手が休まる暇がない(笑)

 
吹付後がこちら。もっと塗料を取り寄せてシャーシまで塗れば良かったです。


張り替えする荷台用の木がこちら。用途と耐用年数を説明したところ、栗の木を勧められました。
アピトンとは比べるまでもありませんが、ラワンよりも更に安い上に丈夫とのことです。星製材所さんありがとうございました。
本来荷台の木材は重ね合わせ部分を実加工(凸凹でかみ合わせる)するのが一般的かと思うのですが、経済的理由により中止(笑)


使用したビスはこちら。皿頭のリーマーフレキビス6*55、6*85の2種類です。使用するビットは+ビットの3番です。


6*85のビスは外側の厚い板に使います。外側の板の厚さは45mmとしました。
写真の栗材の端部の割れている部分は落としてから貼ります。


6*55のビスは内側の薄い板に使います。内側の板の厚さは24mmとしました。


荷台の板を貼っている状況です。


さすがに板が厚いので、ビスを最初から打つと木の切り粉や根太の鉄の切り粉が上に上がって来ず、ビスの先端が焼けてすぐにダメになってしまいます。
先に5mm程度のドリルで木に穴をあけておきます。
星製材所さんの名誉のために申し上げますが、栗材はもっときれいな状態で納品されました。木が汚く見えるのは、もたもたしていて3ヶ月も放っておいた(シートをかけていたものの、反対にシートをかけていたせいでシートからしみこんだ水が乾かずにこのようにシミになった)弊社のせいです。


慣れないうちはそれでも鉄の切り粉が上に上がって来ずに鉄工ビスの先端が焼けることが続いたので、貼る前に木を裏返して、鉄の切り粉が逃げるスペースをとっておきました。途中からは慣れてきてこの工程は不要になりました。

座掘りした写真がこちら。ただ、あまり深くあけすぎると弱くなりそうです。


一番手こずったのがこれ。端部の役物加工です。

丸ノコしかないので、このようにして加工する木を真ん中に固定して

このように切れ目を入れました。


切っている途中の写真がこちら。丸ノコの刃が深さ的にギリギリで切り粉が排出されず、切っている最中に刃が熱で焼けて切れなくなりそうなので、5-56を吹きながらやりました。


更に板を貼っていきます。写真にはとっていませんが、反りについては自動車のシザーズジャッキで補正しながら貼っていきました。


大体貼り終わったのがこちら。

貼り上がりました。


あとは防腐剤を塗って完成です。本当は木を張る前に防腐剤を全部塗るのが正解かと思いますが、諸事情により後塗りになりました。


完成です。ほぼ素人の4人で2日半で終わったので、出来映えとしてはまあまあといったところでしょうか。
 
 
多分、次に荷台を張り替える前に車本体がダメになるかと思いますが、大事に使っていきたいと思います。
 
 
 
 

 

2016年2月10日水曜日

ダンプの自動シートのモーター修理


今日はダンプの自動シートのモーターを修理しました。
自動シートとは、ダンプで骨材を運ぶときに道路にこぼれないようにする幌のようなもの(下の写真の水色のシート)を運転席から自動で開け閉めするものですが、そのモーターが動かなくなってしまいました。


壊れたのはここ↓ (実際壊れたのは別の20年経ったダンプの自動シートのモーターです)。田村総業のクイックという商品です。


モーター+ギアのユニットを車体から外しました。


あまりにも古いため、車体に留めているM8ボルト4本のうち3本は固着していて外れなかったので、弊社社員がサンダーで切って車体から外しました。その後5-56とかを吹いてみたのですが、ボルトは一向に緩む気配がないので、タップでネジを切ることにしました。まず、とれないボルトの真ん中に、ドリルで穴をあけていきます。


ドリルの径を変えながら、少しずつ穴をあけていきます。4mm・6mm・6.5mm・7mm・7.5mmと5段階であけました。
ドリルはステンレス用のものを使うとはかどると思います。ちなみに下の写真は7mmのもの。
 
(写真取り忘れたので下の写真は別の箇所ですが)7mmの錐であけるとこうなります。
残っているボルトはあと僅かなので、うまくいけば残ったボルトの皮を内側に畳みながら、ちぎってとれないかと思って挑戦。
あえなく失敗(笑)。
建築用の中ボルト(いわゆる4.8規格)等だとこの方法で成功した経験もあるのですが、車両や重機用だと強力ボルト(10.9規格)等が使われていたりするので今回のように失敗することもあるかと思います。いや、腕の問題か?
(元の場所に戻ります)最終的に7.5mmの錐で穴をあけた後の写真がこちら。




 これにM8用のタップでネジを切ります


本当はタップを専用のハンドルにつけてゆっくり油などをつけながらネジを切るのが正解だと思うのですが、面倒なので私はいつもチャックにつけてネジを切ります。一度には切らずに、進んで戻ってを繰り返して、切り粉を排出しながらネジを切っていきます。


全ての箇所でネジを切り終わった写真がこちら。
 多分本職の方々からみれば今回の工程は間違いだらけかと思います。
だれか正解を教えて下さいm(_ _)m


さて、本題のモーターの分解です。
写真には撮っていませんが、導通テストをしたら一瞬だけモーターが回ったものの、また回らなくなりました。おそらくブラシの摩耗のような気がします。
この時点でモーター本体のケースと後ろのカバーの隙間から水が入らないようにするシールが剥がれていました。水が入っていた可能性も有り?


後ろをあけてみたら結構カスがいっぱいでした。
ブラシに行く配線の導通は問題なし。このあとブラシと受け側を掃除してみたのですがモーターは動かず。コイルの可能性もあるかと思いましたが、まずはブラシを交換してみようと思い、部品図を取り寄せてみました。 (モーターのケースや磁石は見た感じ異常なしでした)



部品図を見ると、ブラシ単体での取扱が無かったため、やむなくモーターを取り寄せることにしました。一緒にガスケットとボルトも取り寄せました。


届いたのがこちら。丸進自動車部品商会さん、ありがとうございました。


古いモーターを丸ごと外します。


ギア部分は結構グリスが入っていました。


古いグリスを除去して、ガスケットの当たり面も掃除します。


純正グリスは不明でしたが、とりあえず高速でも問題ないグリスを入れることにしました。
「ENEOS社製 マルティノックグリース2」です。これは弊社の砂利採取の現場で使用しているサンドポンプの軸受ベアリング用のグリースです。高速回転しても油膜切れをおこさないとのこと。


何本か使用済みですが、箱の中身はこんな感じです。


グリスを注入して、ガスケットを取り付けます

モーターを取り付けます


モーター配線の先端はむき出しなので


ギボシ端子を取り付けてかしめます。


最後に試運転をして完成。
ダンプの電圧は24Vなので、今回はいらなくなったパソコンのDC19Vのアダプタで試験しました。電圧不足かなと思いましたが、19Vでも試運転は問題ありませんでした。


自動シートのモーターが壊れたダンプには、在庫として持っていた同じ型のモーターを取り付け済なので、これは別のダンプのモーターが壊れた時用の在庫となります。


もし弊社近辺で緊急に使用したい方がいらっしゃればいつでもご連絡下さい。
写真は左側用ですが、右側も1台在庫あります。ただしE20F型なので、ショートダンプ(20t 車)限定となります。ご了承下さい。