今日はダンプの自動シートのモーターを修理しました。
自動シートとは、ダンプで骨材を運ぶときに道路にこぼれないようにする幌のようなもの(下の写真の水色のシート)を運転席から自動で開け閉めするものですが、そのモーターが動かなくなってしまいました。
壊れたのはここ↓ (実際壊れたのは別の20年経ったダンプの自動シートのモーターです)。田村総業のクイックという商品です。
モーター+ギアのユニットを車体から外しました。
あまりにも古いため、車体に留めているM8ボルト4本のうち3本は固着していて外れなかったので、弊社社員がサンダーで切って車体から外しました。その後5-56とかを吹いてみたのですが、ボルトは一向に緩む気配がないので、タップでネジを切ることにしました。まず、とれないボルトの真ん中に、ドリルで穴をあけていきます。
ドリルの径を変えながら、少しずつ穴をあけていきます。4mm・6mm・6.5mm・7mm・7.5mmと5段階であけました。
ドリルはステンレス用のものを使うとはかどると思います。ちなみに下の写真は7mmのもの。
(写真取り忘れたので下の写真は別の箇所ですが)7mmの錐であけるとこうなります。
残っているボルトはあと僅かなので、うまくいけば残ったボルトの皮を内側に畳みながら、ちぎってとれないかと思って挑戦。
あえなく失敗(笑)。
建築用の中ボルト(いわゆる4.8規格)等だとこの方法で成功した経験もあるのですが、車両や重機用だと強力ボルト(10.9規格)等が使われていたりするので今回のように失敗することもあるかと思います。いや、腕の問題か?
(元の場所に戻ります)最終的に7.5mmの錐で穴をあけた後の写真がこちら。
これにM8用のタップでネジを切ります
本当はタップを専用のハンドルにつけてゆっくり油などをつけながらネジを切るのが正解だと思うのですが、面倒なので私はいつもチャックにつけてネジを切ります。一度には切らずに、進んで戻ってを繰り返して、切り粉を排出しながらネジを切っていきます。
全ての箇所でネジを切り終わった写真がこちら。
多分本職の方々からみれば今回の工程は間違いだらけかと思います。
だれか正解を教えて下さいm(_ _)m
さて、本題のモーターの分解です。
写真には撮っていませんが、導通テストをしたら一瞬だけモーターが回ったものの、また回らなくなりました。おそらくブラシの摩耗のような気がします。
この時点でモーター本体のケースと後ろのカバーの隙間から水が入らないようにするシールが剥がれていました。水が入っていた可能性も有り?
後ろをあけてみたら結構カスがいっぱいでした。
ブラシに行く配線の導通は問題なし。このあとブラシと受け側を掃除してみたのですがモーターは動かず。コイルの可能性もあるかと思いましたが、まずはブラシを交換してみようと思い、部品図を取り寄せてみました。 (モーターのケースや磁石は見た感じ異常なしでした)
部品図を見ると、ブラシ単体での取扱が無かったため、やむなくモーターを取り寄せることにしました。一緒にガスケットとボルトも取り寄せました。
届いたのがこちら。丸進自動車部品商会さん、ありがとうございました。
古いモーターを丸ごと外します。
ギア部分は結構グリスが入っていました。
古いグリスを除去して、ガスケットの当たり面も掃除します。
純正グリスは不明でしたが、とりあえず高速でも問題ないグリスを入れることにしました。
「ENEOS社製 マルティノックグリース2」です。これは弊社の砂利採取の現場で使用しているサンドポンプの軸受ベアリング用のグリースです。高速回転しても油膜切れをおこさないとのこと。
何本か使用済みですが、箱の中身はこんな感じです。
グリスを注入して、ガスケットを取り付けます
モーターを取り付けます
モーター配線の先端はむき出しなので
ギボシ端子を取り付けてかしめます。
最後に試運転をして完成。
ダンプの電圧は24Vなので、今回はいらなくなったパソコンのDC19Vのアダプタで試験しました。電圧不足かなと思いましたが、19Vでも試運転は問題ありませんでした。
自動シートのモーターが壊れたダンプには、在庫として持っていた同じ型のモーターを取り付け済なので、これは別のダンプのモーターが壊れた時用の在庫となります。
もし弊社近辺で緊急に使用したい方がいらっしゃればいつでもご連絡下さい。
写真は左側用ですが、右側も1台在庫あります。ただしE20F型なので、ショートダンプ(20t 車)限定となります。ご了承下さい。
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